寄り道
 
  「雪が降った時..」
 
  雪が少ないと思っていたら、天気予報では何日か続けて降ると
 報道していた通りの大雪になった。今年の1月は、6日から大雪だっ
 たなぁ。問題は除雪だ。隣の家は、少しの雪が降っても几帳面にす
 るので困るよ。陽が照ると太陽の熱で雪が溶け、ロードヒーティン
 グしているかのようにアスファルトが黒々と顔を出し状態になる程
 だ。それに比べ当方は、何もしていませんよ状態ですとなる。
 もの凄く体裁が、わるいので仕方なく、雪降ったら申し訳程度の除
 雪をする。隣の影響で、その都度除雪をしなかった事が良いことな
 のだろうか。考え方一つで、迷惑だなと思ったもしたが隣近所の付
 き合いもあるし、良かったことにして前向きに思う事にした。
 それにしても思う。同じ除雪にしても綺麗に始末が出来ないのは
 性格から来るものだろうかと。
 
 庭に来るヒヨドリは、除雪などの様な問題にとらわれることないか。
 そようなこだわりとか夢は、あるのだろうか。ただ庭にリンゴを求め、
 腹を満たすだけなのだろうかと。一瞬、幼子が持つような疑問を感
 じて、ポカーンとしていた時である。家内が、新聞のクイズ欄を持
 って来て、一緒に解答するべと言うことのようだ。縦横の問題が
 50あり、マスに言葉を入れていくクイズだ。いつもは、一人でや
 っているのに今回は問題も多いからなのかな。私は、クイズは嫌い
 だし理解力も無いのに、まして頓智(とんち)も必要ときたら、益
 々嫌気しながら問題を解いていくようになると家内が、問題を終わ
 る度にチェックを入れるようにと指図してきた。こうなると誰のクイ
 ズよと言いたくなる連休の最後の日だった。
 
 今日は、熱燗のお酒でも飲んで過ごすつもりでいたのに、クイズ
 で付き合わされた。「明日から仕事か」とつぶやく家内に「アーち
 ゃん、どうしたの、いつになくしょんぼりした事言ってるの、一杯や
 ったら」といつになく母が声を掛けて来た。すかさず家内は、「何言
 ってんの、もう2杯目飲んでるよ」と当然のように返事をしていた。
 この会話を聞いて「ふーん、すごいなぁ」と思った。俺様に一杯や
 らないかと誘いもなくクイズで悩んでいる私は、どうなるのと思った
 ね。
 ご近所も家内にも、ある程度気を使いながら、それでいて影響受
 けないで自立した日々を過ごす事が出来るだろうかと思った次第
 であります。
 
                       春風するめ