寄り道
 
  「どろぼうのカラス..」
 
  先月一週間くらい続けて雪が降った時の話しだ。ヒヨドリに食
 べさせるつもりのリンゴをカラスに喰われてしまった。サクランボ
 の木は、カラスの重さで止まれないような枝を選んでリンゴを付
 けたのだが、予想はずれてしまった。背丈程の積雪で、吊り下げ
 たはずのリンゴは雪の上に置かれた格好になりラスの餌食になっ
 てしまった。何て利口なカラスだ。我が家に来るカラスには、ネズ
 ミ取りに掛かった物とか脂身など、やっているのに節操の無い奴
 だ。昔からいわれている「ごんべタネまきゃカラスがほじくる..」
 のハシボソガラスが、リンゴを喰いにくる。
 ヒヨドリでなく当て外れの彼らが来て頭に来るが、生きるのに大
 変な努力をしているとおもえば納得も出来る。
 
 休みの日、家の周りの除雪をする為、気合いのビールを一杯引っ
 掛けて出掛けようと飲んでいると「朝から、あまり飲むんでないよ」
 と家内。続けざまに次女が「いやだね」と。家内には「うるさい」と
 言うつもりでいたが、仕方なく「そうだね」と頷いてしまった。なん
 と、この情けない弱さというか、別な言い方では気の使い方かな。
 そんな中、長女夫婦が来たので、新しいゲームソフトが入った話を
 したらゲームをする事になった。私はゲームはしたくないのだが参
 加することになった。元来私は、どんなゲームでも勝ち続けた試し
 がなく、それで嫌いなのだ。「いやだ」と言ったが色々いうのでする
 事にしたけど、家内はゲーム参加しないのだ。それで4人でする事
 に。回を重ねる毎に順位が下がっていく。婿さんが上位を独占だ、
 私は、最下位を独占する。
 
 そんな私でもゲームは勝つ、つもりの姿勢でだ。決して息抜きはし
 ない「手一杯ガンバルマンでやってます」という心意気をわかって貰
 えるだろか。外を見ればカラスに泥棒され、チョイト一杯のビールを
 注意されゲームには勝てないし、冴えない自分をどうしようかと思っ
 ているとき、私は、犬よりも頭が良いかもと言われる泥棒カラスに、
 見習う事があるようだ。カラスと人との類似点を思い浮かべる。
 見方によっては、他のものが嫌う物を平気で食べる。人に当てはめる
 と、仕事やゲームは嫌わないでするとか(生き物は、生きることが仕事
 だと捉えて)。服装スタイルは、カラスの様に統一であっても、自己主
 張している、色々並べるとカラスの素晴らしさが、わかってきた。
 ここで私は、どうするかだ。カラスの様に気を使わず、他の者にどの様
 に見られてもマイウェイと貫く事に掛かっているようだ。それも私の、
 胸三寸で決まるらしい。
 
                       春風するめ