寄り道
「振り返ると..」
寒い、寒いと思いながらパソコンに向かっていた。あくびしなが
ら後ろにいるマメ(亀)がどうしているのかなと後ろへ振り返ると、
つぶらな瞳で私の顔を見上げていた。そのことを家内に話したと
ころ「外を見せてといっているんだよ」と言うので、マメを抱いて
窓から外をみせると、緊張させていた足がスーと力を抜いた。
南国育ちのマメに「雪が無くなったら散歩しようね」と、意味が
多分わかるだろうと思い言い聞かせた。去年よりは、過ごしやす
い年になるだろう。そうでありたいね。
全く関係ないけど、想い出した事がある。家内と共同作業を、最
後まで仲良くやれた事が、あまり無いと言うことだ。よく巷で言わ
れる事だが「奥さんが偉い事にしておくと全てがうまくいく」と言
われるが、遅まきながら私も家内に指導権を握らせているつもり
だが、最後までその姿勢でいれば良いのに、つい口出ししてケン
カになってしまうのだ。私も口ほどにもない事が、はっきりさせら
れる。その家内と一緒に棚を組み立てた事があった。板を直角に
切る作業があって、家内は私に「直角に切れない、あなたが作る
鳥の巣でも、斜めに切っているから、いつも不格好な巣になって
いるでしょ」と来る。自分の旦那をこき下ろして何の徳になるだろ
うかね。今回は、日曜大工店で材料をある程度切って貰ってきた。
作業を続けている時、作業の進め方について意見がぶつかり合い
が少しずつ出て来た。おも入れが有る分、話し合いから、もめごと
へと変身していくのは、ごく自然のことだと思う。しばらくして、組
立の作業に手間取っていると家内から、「私がやっても良いんだ
よ、やりたくて、しょうがないんだから」とまで言われてしまった。
そんなデコボココンビでも最後まで一緒に棚を作る事が出来た。
家内だからという気持ちがある分、我慢することなく自分の思う
ままを通すことばかり考えてきたから、何事もうまく行かなかった。
この様な出来事を通して「自分はそれほどでもない」という思いで
当たったので、棚造りが成功したのだろう。その点、マメは何でも
「待ちの姿勢」だから失敗する確率が低いのかも知れない。
また、マメに心持ちを教えられた気がしたよ。
春風するめ