寄り道
「あわただしさから..」
去年は、暑かったし急に寒くもなった後半だった。庭のフェ
ンネルに住み着く黄アゲハチョウは、心なしか少なかった。
人目を避けるために道路側から、内側の玄関前に移すために
移し替えた。後で気がついたことがある、雪が溶けてから種を
蒔けば良かったと。そんな調子だから掃除だって、正月にする
手順の悪さ、休みが多いからという気持ちがどこかにあったの
だろう。「正月からの掃除は縁も一緒にはき出してしまうよ」と
言われ迷ったが、することにした。せめて玄関だけでもと、玄関
から風除室へと片付けていたら黄色のアゲハチョウの亡骸が、
一杯出て来てショックだった。それは、やっとの思いで成虫にな
ったはずなのに、何で玄関で生き果てたのだろうかと。花の蜜を
吸って僅かな人生堪能し、子孫を残すことが出来たのだろうかと、
考えてしまった。良くても悪くてもその時の行動が翌年に引き継
ぎして行く。
今年で母は、86歳(去年の12月で)になった。近頃の朝、血糖
値が低いとき食卓まで歩けない事がある。その母も耳が、とおく
なり同じこと3回以上繰り返さないと話が通じないことが度々だ。
私は、朝の大声を発声は辛いので困る。ついつい一回で聞こえる
ように大声で怒鳴るように言ってしまう。そうすると「そんなに怒ら
なくても良いのに」といわる。今回は、機嫌を取るために串だんご
があったので、箱の中から醤油味の串だんごをとり「醤油味の串
だんごだよ」と渡して勘弁して貰った。
昼頃、家内に「残りの串だんごの箱にあったの食べた」と聞いたら
「投げた(北海道では捨てたの意味)」というので、変だなと思い
「食べたのか」と何回か聞いたら。おもむろに「だから、中身喰った
から箱を、投げたと言ってるべ」と返事が帰って来た。我家は、通
常の話は出来なくて、訳のわからないのがゴロゴロ居ると感じる。
それとも、その場の雰囲気も感じること出来ない私が、悪いという
ことだろうか。
その点、母は、うまく切り抜ける事が案外とうまい。例えば、私が
家内とケンカした時なんぞは、家内に世話なっているから家内の
見方だ。家内がいないとき見計らって、「気をつけてよ」と精一杯の
気持ちを言うのさ。その時思うよ、無用な気を使わせたなってね。
私は、愛情をもって接する年にしようと決意したが、お利口さん
になれるだろうか。
春風するめ