寄り道
「何かあわただしく..」
ただあわただしく、今年もあと幾日だろうか。何も考えないで過ぎ
た感のある日々だった。ヒヨドリもピーィピィーとリンゴを3月から4月
に掛けて催促される日課の始まりだ。家内は、リンゴを安く手に入れる
のに生鮮食品のスーパーめぐりが始まる。そんな中、次女のリンゴの
木が、あまりにも虫が多く着くし、虫を駆除などの対処出来ないので木
を倒すことにした。あまりにの大きくなったので、一度に倒すこと出来
ないから、まず始めに枝を払うことにして幹だけは後で倒し事にした。
枝を、ゴミに出すのを少なくする為に、枝を5cm位に切り畑に鋤き込
む事にした。太い枝葉ゴミとして出しす作業をしている所に、いつの間
にか鳩が2羽が来ていた。かれらは、大豆の取り残しを食べに来ている
私の足もと2m以内の距離にいるのだ。初対面だというのに、人なつっ
こいもんだなと感心して枝を切っていた。その内にいなくなったと思っ
たら今度は、3羽になっていた。時々来ていると家内が話していた。
みんな冬に備えて体力つくりをしているのだ。生きるということに一生
懸命の彼らだ。決して目立たず、ひっそりと誠実に命を全うするように
努力している。そう思うと愛らしく感じた。その点、私はどうだろうか。
それなりに努力をしているのだけれど、人様のことを気に掛けたり、どう
思われているか等と体裁を繕ったりした日々を過ごしている。つまり、右
往左往して焦点が定まらない生活しているのではないかと反省をして
しまった。
家内は、ツツジや松の囲いを始めた。青竹を立て暴風網で覆ったが、
雪が除雪機で跳ね上げる所に雪が飛んでくるのに、雪の重さに耐えら
れるだろうかと心配になる。私が除雪する時その木に雪を飛ばさなけ
れば良い話だが、そうはいかない。ある程度の積雪になると分からなく
なるので困った。家内に、「もうチョット丈夫な物にしなさい」と言えな
い。「あなたが、しなさい」と言う答えが出てくるのがわかっているから
ね。木を切るのに疲れてるので黙認することに決めた。これからは、今
迄外にいたネズミが、家に入って来ている。迎え撃つ為の、仕掛けをセ
ット始めて温室に置いて2時間位して掛かったので、ネズミ取りを2個に
した。勿論、別々の場所に置いた。次の日、2個ともにネズミが掛かっ
ていると家内が言って来た。「片付けてくれよ」と私が言うと「私ネズミ
が、嫌いだもの」と言ってそのままにしてあった。次の日、ネズミを土左
衛門にして、餌を新しいのをネズミ取りに付けて会社に出掛けた。
私は、ふと思う。今年一年数日で終わるが、人間世界は世間の動向がど
うだこうだと騒がしいけど、自然界は与えられた世界でベストを尽くすと
いう彼らを見て「世の中どんなに移ろいでも我ここに居る」という、若い頃
習い事の心構えを想い出した。いつの間にか忘れてしまったが、彼ら(鳥)
のように今から性根を持ち直すことが出来るだろうか。
春風するめ