寄り道
 
  「何もしなくても」
 
  何でもそうだけど怠惰な生活を、おくっていると慣れて
 しまって、普通になるこの恐ろしさ。
  仕事に忙しい、家に帰れば晩飯を食べ夜の8時半になれ
 ば、布団の中にいる。
  「よい子は、早くおねんねする」と、こんな日々を過ご
 していると、いつの間にか身の周りがカビや雑草だらけだ。
  自然界からのメッセージだ。
  いきおい、時間がなければ庭の雑草を、駆除するのに
 除草剤を使用したい気持ちになる、そこで使いたいと言う
 ものなら、時代劇の桃太郎侍の名台詞「ゆるさん」と、言っ
 てくる。
  家内は、野鳥がエサを食べるので間違って除草剤が付
 着したものを食べたら大変だと言うのさ。
  私は、仕方なく道具を使う、どうしても取りづらい場所は、
 困るので、時には、熱湯を雑草に直接掛けているが、全部
に掛けるのは無理だ。
  結局少しは残るけど、これで良いとして、家の中に入って
 外を見ると、以前に見た頭が白く、身体は焦げ茶と黒色混じり
 のネコが、庭のところ来た。
  まだ、健在か。
  近頃、ネズチューが家に入らず平穏に暮らせているのは、
 このネコのおかげさ、とにかく感謝しようと何故か素直に感じ
 た。
  除草剤を蒔いてなくて良かったとトッサに思った。
 
  このネコを見て、黙々と自分の生活をする中で結果的に
 社会の貢献している姿。
  これが、人間だったら、ある程度の声をあげて自分の貢献
 度を意思表示しただろうとおもう。
  それなりの理由があるのさ。
 
  ”業績も善行も人の目に見えなければ、存在しないも同じだ”
 
  この言葉を思い出した。
   そうなると私は、少なくても頭の白いネコの業績は認めて
  やったことになるのかなって....考えようか。
 
 
                       春風するめ