寄り道
「ちょっと考えちゃう...」
この冬、3月に入ったというのに寒暖の差が激しく
たまった物ではない。
でも確実に、堆積した雪は徐々に減ってきているので
暖かくなってきているのだろうけど。
先日、家内と街へ出掛けるとき、家内が「私の車で行
こうと言い出した」私は、どうしようかなと思ったが、
家内の車で行く事にした。
軽自動車である家内の車で行くと、安く済むと言うわ
けだ。
なにかしら、得体の知れない意気込みを感じたので余
計なことは一切言わず、借りてきた猫の様に、おとなし
く小さくなって出掛けた。
途中、今では珍しい単独のお米屋さんの前を、通過し
ようとしたときである、家内が「なんだろう、ずんぐり
した格好の悪い鳥」といって急ブレーキを掛けた。
私も、背中が少し焦げ茶の色が混じっている鳥だなと
思って見ていた。
よく見ると、庭で、よくヒヨドリにぼっかけられてい
るコムクドリではないか。
大きさは、ヒヨドリの3分2で、人間で言えばズングリ
ムックリのメタボ体型だ。
彼らは、おこぼれ頂戴しに来たのだろう。
それなら今も、お米屋さんで精米しているということか。
今は、店の中や店周りを綺麗にしていないと、お客が入らな
いからなぁと思いながら通過したが、鳥や動物は、雪によ
って厳しい条件の中で生きてるんだと、考えさせられた。
家に来るヒヨドリにしても、吊してるリンゴの木から台
所迄まで2〜3mの距離だ、勿論その間に窓があるが。
始めは、食器を洗う音で鳥達が逃げていたが、家内は、
お構いなしで洗う。
今ではヒヨドリは、逃げないでリンゴをついばんでいる。
当初は「鳥が来ているのだから、台所に立つの止めとけ」
と、よく言ったもんだ。
その都度、家内に「なに、言ってるんだよ、こっちはこっ
ちなりの仕事してるんだよ、向こうが注意して食べに来るの
が、当たり前でしょ」と、続いて「冬に買うリンゴは、高い
んだから扶養家族が増えて困るのさ」と、ヒヨドリの方に目
配せしながら締めくくった。
一連の流れを見て、鳥も私も生きるって大変だなと、つく
づく思うこの頃さ。 春風するめ