ちょっと一休み
「バスは、楽しい」
バスで、どこかへ出掛けるのは最高だ。
汽車と違って、旅の所用の変更がきく。
それに、自家用だと自分で運転しなければならないのと、誰かと
途中で、交代するにしても、何かしら疲れるような気もする。
その点、図体が大きい為、乗り心地とバスから見下ろす眺めも素
晴らしいものがある。
おまけに、運転手は運転操作が上手だし、そんな期待感を持たせ
る乗り物だ。
一番の楽しみは、気の合う仲間との占有できる空間を確保でき、
目的地にいけるのだから、こんな楽しいことはない。
秋も終わり近く大雪山に冠雪したころに、札幌から、層雲峡へ行っ
た時のことだ。
まだ、スキーを始めるには、早すぎるが寒さは厳しい時期だった。
バスの運行は、1時間半毎に、休憩タイムを設けたスケジュール。
景色を見ながら目的地へ行く時の話さ。
北に向かうほど、積雪あり、なかったりで、まばら模様の町村と川に
橋を通り過ぎる光景を見るのが楽しい。
このことを楽しむ事は、歌・唄・詩などつくっている環境に自分を置
いている、そんな気分にさせられる。
ちょっとオーバーかなぁ。
そんな夢うつつでいる間に、層雲峡のスキー場に着き、ちょっと寒か
ったけどロープウエイに乗った。
ぐんぐん山頂登っていく、光景を窓から見ると下界から天上の世界
へ行くような感覚だ。
日常の雑多な生活や用事、戯言や雑念など忘れる一時だ。
ロープウエイが、山の中程の駅が終点で止まった。
それでも、下に居たより、まだ寒い。
風邪も少しあり、ここで我慢をしようかなと思っていると、まだ上に
行けるようだ。
スキー客が乗るリフトで、さらに山の上にあがると、雪景色一色だ。
リフトも、40年以上も乗っていないので、どうしようかなと思ってい
るとき「行くよ」と、声が掛かり、乗ることにした。
ペアで乗るリフトだったので、家内と一緒に乗り、若かりし頃を思い出
し、後ろに続く人に愛嬌を振ったが、下を見ると恐怖を感じた。
若い頃は、おっかないと思わなかったけど、体力がなっかたから感じる
のだろうか。
そのような思い出して見る景色は、言葉に出ないほどだった。
このバス旅行で、おいしい食べ物にありつけたし、身体の温まる温泉
も浸かった。
心温まる、同行した仲間と言ったら失礼か、彼らと楽しい雰囲気があっ
たからこそ、私は、この旅で印象に残った景色だった。
物より金という現代社会の中で、せめて金より心でありたいと思うは
私だけではあるまい。。
自然を大切にし、しずかに見守る心、その心は、思いやりか。
思いやりを、表すことですべてが決まると思う。
春風するめ