ちょっと一休み
 
 「七羽で来たが」
 
  この冬は、暖かいといっても時々の猛吹雪がある。
  よく言われる事だが、毎年雪は決まった量は降るって。
  その様に聞かされてきたが、今年は特に違ってるように感じ
 る。
  ヒヨドリを、招待するための木に吊しているリンゴの減りが、早
 くなった。
  これも温暖化の性なのだろうか、鳥も動きが活発になってきた。
 
  中心に割り箸を突き穴を開けストローを入れ、細いひもを通して
 吊す。
  家内は、ヒヨドリの食べるすがたを見るのが楽しみだと言う。
  しばらくして、七羽が飛んで来た。
  木に吊したリンゴを目当てに、七羽が一斉に枝に止まった。
  これは、珍しい出来事だった。
  以前は、大勢出来てもリンゴが付いてる木には、多くて二羽で
 後の鳥は、他の木で待機しているのだが。
  案の定すぐ、場所取りのケンカが始まって、挙句のはてに、全員
 食べないで何処かへ行ってしまった心配した通りの出来事になって
 しまった。
  家内は「仲良く食べてる、姿を見たかったのに」と嘆いていた。
  この意地悪な出来事を見て、人間世界と同じかと思いがっかりし
 た。
 
  関係ない話になる(ここは、特に断りを入れておかないと)けど、
 友人のゴミを出しの話。
  会社へ出勤するときに、奥さんに言われる問われるなしに気を
 利かしてゴミを出していたらしい。
  最初は、感謝されたんだって。
  その気になって、習慣になるくらい長く続けていたら、仕事の事
 か何かで考え事をして、ゴミを出し忘れたらしい。
  会社から帰宅して「ゴミを出してなっかた」と、奥さんからいわれ
 た。
  その時「何、いっているんだ」と、何故かムラムラとした気持ちが
 湧き出て、次から何もしたくなったという話だ。
  この話を思いだし、先程の事と共通性があると思った。
 
  エサ場をみっけ、我先に食べなきゃと騒ぎ立てるヒヨドリ、いつの
 まにか感謝を忘れてしまった奥さん、自分勝手の世界から抜け出せ
 なっかた事が共通しているように感じた。
   この様な出来事を教訓として、私は生かす事が出来るだろうか。
  これが問題だ。
 
                         春風するめ