寄り道
 
 「年寄りウコヤン観て」
 
  朝エサを持ってお婆ちゃんニワトリの小屋を開けると、一斉に外
 へ飛び出す。
  飛び出したら誰が、何と言おうと、夕方にならないと戻らない。
  その姿を見て可愛いい事、ただ困る事は、カラスや猫が襲って来
 た時だ。
  危険を知らせて呼んでも、こちらの思うように戻って来ないので
 ある。
  言えることは大事な家族の一員であることだ。
  彼らニワトリの為に、急いで小屋の周りを暴風網で張った。
  そんな彼らを観ていると、単純な生活環境の様に見えて羨ましいと
 思ってしまった。
  その彼らも、先程書いた様に、常に生命の危機が付きまとっている
 と思うとなんだか、可愛そう思えてしまう。
  そんなる私の気持ちを知ってかどうかわからんけど、鳴き声をだし
 ながら寄って来た。
  一段落して、家内と散歩した。
  近頃の家の周りが、どの様に変わったか家内と興味本意で話なが
 ら歩いていたら、家の周りが綺麗に片付けている所は、家の中も整理
 整頓されてる家庭であると、気づかされた。
  そして、当然ながら我が家はどうだろうかと比べる。
  ニワトリを飼っている、家の周りは何となく木や草の囲いで、ゆうつ
 そうだ。
  だれも「整理整頓されてる家だ」なんて言わないだろうと、我々夫婦
 の弁解みたいな答えになった。
   散歩から帰って物置の戸を開けたら、ネズミが掛かっているじゃない
 か。
  家の周りが綺麗な家庭には、ほど遠いよ。
  さっそくネズミを土左衛門にして、川の土手に置いて来た(カラス
 のエサになるので)。
これが、現実のめりはりのある我が家だ。
でも、これが大事な時間に思えてきた。
あー、嫌だ、イヤダ。
これじゃ、なんか年取った証拠かな。
前向きに考え、何か行動することしようか。
 
 
                        春風するめ