ちょっと一休み
「親離れ子離れ」
16年前は、家の周りは畑だった。
隣近所の視線を気にしないでニワトリを飼い、その敷きワラを堆肥
に積み上げた。
それを目当てに雉(キジ)が毎年来た。
はじめは昼間に来て、夕方の暗くなって、低空飛行で飛んで来る
ようになった。
いつしか、庭のすみで夜を過ごすようになり、私たち家族はキジの
いる方を見ないようにしていた。
そして、わかったのは、子供を連れてきたキジの子供が親に替わって
次の年に、その子の子供を連れて来ている。
その繰り返しに「なぜだと思った」。
動物園に聞いた。「その子に追い出されたんだよ。親は別な場所で
暮らしているから心配ないよ」との返事だった。
一瞬なんて親不孝な、キジの家族の物語だろうと思った。
うちのニワトリもタマゴからヒナかえって約45日に親離れ、150日
でタマゴを産み始める。
そうか?近親相姦を防ぐ動物の知恵なんだ思い。
なんて素晴らしい事ではないか。
275号線添えで新十津川の手前の村で雉(キジ)の薫製を作って
いる農家がある。
そこの奥さんの話によると雉は飼っている小屋と柵から逃げても、
ほかの動物と違って生活力があって、心配ないんだよ」離してくれた。
普通、飼育している動物は逃げ出すと、エサを自力で得る能力が
知らないために、死んじゃうのに、キジは別だと聞いた。
キジの逞しさを聞いた。
私はキジやニワトリと違って子離れが出来ない方だと思っている。
だが、これだけは言っている。
学校を出て独り立ちをする娘に言う。
「父さんはねぇ、第一の恋人はおまえたちの母さん、第二の恋人は
お前たち子供なんだ。うるさく言うことが有るかも知れんが気持を
わかってほしい」とね。
もう一言付け加える。
「いつも、父さんはお前たちの側に立って応援する、中立はないんだ
よ」と。
私とキジの立場が違う?親子としては同じの立場?
この言葉がふさわしいか?
わからないけど悲しいね、美味い表現ができなくってね。
どうも暗いなァ